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2004/11/23

イリーガル・マインド ・9・

「おっそーい!料理来てるよ~!!」

戻ってきたグレイスたちに、声をかけようか迷っているクロムを知ってか知らずか、アイリスが声を上げる。

「ああ、ごめんねー」
「……」

クロムの懸念は外れていなかったらしく、二人の間に流れる空気はどこかおかしい。
自分の言ったことに対して、なにか二人の間に揉め事でもあったのだろうか。

思い悩むクロムを尻目に、グレイスとユイトは食事に手をつけ始める。

気まずい沈黙の中、カチャカチャと食器のぶつかる音だけが響く。

(さっきの騒がしさが嘘みたいだ…)

ふとそんなことを思ったときだった。

「アイリスちゃん」

沈黙を破るかのように、ユイトがアイリスに話しかけた。

「ん?なに?」

周りの不穏な空気に気付かず、ただ単に食事に専念していただけのアイリスが顔を上げる。
どこまで天然なんだこの娘は…
クロムは知らずため息をついた。

「君、機械には強い方かい?…パソコン、とか、ネット使ったりする?」

ユイトの言葉に、今度はクロムの方が態度が硬化する番だった。

(こいつ…!)

しかし、言葉を口にしようとしたところを、グレイスが無言で制する。

少し緊迫した雰囲気の中、あくまで暢気にアイリスは応えた。

「私パソコン好きくないのよね~」

「あ~、機械オンチ?」

すかさず茶々を入れてくるあたり、グレイスはさすがだ。

「むっ!馬鹿にしたわね!…でも、少しぐらい弄ったりはするよ?」
「最近変わったことはない?」
「変わったこと?…別に?」

「何でそんなこと聞くんだよ、ユイト」

やっとグレイスの視線での制止が解けたので、クロムは会話をとめにかかる。
この会話は、さっきユイトが自分にした話と同じ類の意味を持つものに違いないのだ。
そんな危ないことにアイリスを巻き込むわけには行かない。

「あ、いや…なんでもないよクロム、気にしないで」

言外に、自分への牽制をこめられているのを感じながら、クロムはユイトの言葉を受けた。

静かな攻防が起きようとしていた。
ただ、誰が信じられなくて、誰を信じていいのか、わからないままに。

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