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2004/08/28

イリーガル・マインド ・prologue・

薄暗い部屋に青白い光が照っている。
パソコンの前でその光に照らされた色白の男は、絶え間なく続くカタカタという音の音源となっている。

彼の視線の先には、膨大な量のデータが流れるように展開していた。
叩くキーボードの音にまぎれて、彼の口から言葉が漏れ出ている。

「……最終的には……を……ろす」

本人さえも自覚の無い言葉。
特に意識することもなく、彼はそのデータの確認を進めていた。

背後から、突如別の男の声がした。
「おい、調子はどうだ?そのデータは俺たちを幸福へと導くものなんだからな。大切に扱えよ?」

映し出された影は、その男がずいぶん身長が高いことを物語っている。
その影に、パソコンの前の男は少し苛立ったように応える。

「わかっている」
「ならいいけどさ」

大男のほうは、その棘のある言葉もさして気にした風もなく、暢気に返す。

…と、突然パソコンからエラー音が鳴った。

「ち、しまった!」
パソコンの男が、色の白いその手を机に打ち付けた。
「どうした?」
「データが勝手に移動を始めた!阻止できない…なんだこれは!?」
「なんだって!?おい、早く止めろよ!」
「とんでもないイレギュラーだ…くそ!どうしたらいいんだ!!!」

パソコンの彼は、どうしようもなくなったディスプレイを見詰めて、茫然となった。
その彼の肩を、大男が叩いた。

「おい、これは…」

「…そうか、なるほどね・・・これは、直接生身で行くしかないみたいだね…」

パソコンの彼は、そう呟くと、もう用はないとばかりにパソコンの電源を落とした。


…後には、闇だけが残った。

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